楽譜通りに歌っているのに
どうも平坦な「のっぺらぼうな歌」になってしまう
感情を入れているつもりなのに
歌に起伏がない。。など
表現しているつもりなのにそれが上手く表せずに
生き生きとした歌にならないって事
ありますよね。
今日はレッスンでもよくぶちあたる課題
「歌の表現について」です。
私のレッスンを受けてくれる生徒さんの中にも
楽譜通りに歌えていて、
見事な程、音も外していないのに
どうも歌が「面白くない」方がいらっしゃいます。
実に惜しい・・・
では、どうしたら良いのでしょう。
そんな時私は
「もう一度、歌詞だけを眺めてみよう!」とアドバイスします。
正しく歌う為には、楽譜を見てどのような譜割りになっているのかを確認する事がとても大切です。
しかしそのデメリットとして、音符だけに忠実な歌になってしまうという事があるのです。
いかに正しくメロディーを歌うか。
いかに正しく音符の長さを歌うか。
どちらもものすごく大切なことですが
そこばかり気にするあまり、
歌の最大の武器である「歌詞(言葉)」が置いてかれてしまうのです。
極端に言えば、歌詞の代わりに「ハラホレヒレハレ〜」のように
まるっきりデタラメな文字を当てはめても
同じように歌えてしまうのではないかと思います。
特に邦楽では特に音符ひとつにつき1文字が割り当てられる事が多いので
音符だけにとらわれると
ただ綺麗なだけの、ロボットみたいな歌になってしまいます。
さて、ここで歌詞読みの登場です!!
インターネットで歌詞だけを調べてみる、
印刷してA4の用紙の上で歌詞を眺めてみる、など
とにかく一度メロディーを離れて歌詞に向き合ってみてください。
そしてそれぞれの意味を考えましょう。
例えば、
「キミ」という歌詞があったなら
どうして
「君」とか「きみ」じゃなくて
カタカナなんだろう? とか
「あなたが忘れられない・・・」という歌詞があったなら
最後についている「・・・」があらわすニュアンスや心情はどんな感じなんだろう? とか
「あなたのことばが」という歌詞なら
どうして「言葉」という漢字じゃなくて「ひらがな」を使ったのだろう? とか
歌詞からその曲の世界観や雰囲気やニュアンスを感じ取るのです。
ですが、その歌詞の本当の意味は「作詞者」に聞いてみないとわからないので
正解は分からなくて良いのです。
あくまで、歌い手であるその人が、
その人の感覚で感じたままに掴んでいけば良いと思います。
それが出来れば
今まで歌っていた声の響きも表情も強弱も明暗も
意図せずに自ずと変わっていくと思います。
でもここで1つ注意。
気持ちを込めすぎるのは Too much です。
お仕着せがましい歌になってしまいます。
例えば
「愛してる〜」という歌詞があったら
全身全霊を込めて「あ"い"し"て"る"〜〜〜〜〜っ!」って歌われたら
結構 怖い!(笑)
愛してるんだから「愛してる」という歌詞をどう表現するのかではなくて
「愛してる気持ちに」になって歌う事が大切なのです。
寂しい歌詞も「寂しい気持ち」になって歌う
嬉しい歌詞は「嬉しい気持ち」になって歌う
やりすぎないように
俯瞰して冷静に歌うということも
結構大切です♪
歌詞を朗読してみるのも面白いですよ。
そうすると、強く歌いたい言葉、弱く歌いたい言葉も見つかって
自然と表情がついてくると思います。
歌は唯一、言葉を使える音楽。
その言葉を大切に歌ってくださいね。
みなさんの歌がもっと素敵に変身しますよ(^ ^)