♬「カ行」が音程を邪魔する?

歌っている途中で
「ここの音程がいつもはずれちゃう~」とか
「うまく音程をとれないんです~」など

悩んだことはありませんか?

そういう場合、ほとんどの生徒さんは
「私、音痴なんです〜」って悩んじゃうんです。

でもそれ、音程がとれるとれないの問題じゃないかも知れませんよ。
ましてや本当に「音痴」な人は自分が音痴だとはなかなか気づかないものです。

こんな「音が上手くとれない」の理由の1つとして
実は「カ行の発音」が影響していることがあるのです!!


まずは「カ行」の発音を確認してみましょう。
「カ」と言ってみてください。
 舌の真ん中あたりを上顎に付けて一瞬息を堰き止めて発音してますよね。
このように「カ行」は舌を上顎に付けて息を堰き止め、舌を離した時に発音される破裂音です。

 


では「あかさか」と言ってみてください。

言いやすかったですか?
言いにくかったですか?

言いにくかった人は

「か」が言いにくい、またはちょっと息が苦しいと思ったのではないでしょうか。


今度はこの「あかさか」を同じ音程で言ってみてください。
宇宙人の真似をするように あーかーさーかー という感じです。
どうでしょう。今度は言いやすくなりませんか? 息苦しさも消えたと思います。
先ほど普通に言えた人も、もっとスムーズに言えたのではないでしょうか。

この「あかさか」の母音は全て「あ」です。
同じ母音なので、本来はとっても言いやすいはずなんです。
じゃあ、どうして言いにくいの〜〜〜

それは、言いにくいな~と思った時の「か」と 言いやすかった時の「か」では
舌が上顎に接触する位置が微妙に違うからなのです。
言いにくい方の「か」は少しだけ前歯に近い方(前の方)で発音しているんです。
前の方で発音しよう!としている。。と言った方がわかりやすいでしょうか。


この「微妙」な違いがどうして起こってしまうかというと
「か」を発音する時、無意識ですが必要以上に勢いをつけて前に押し出しているからです。


もう少し詳しく言うと

「か」を息の力で前に押し出すように「っか!」と発音しているんですね。
舌と上顎で堰き止めた息を、舌が離れた瞬間に口の外に勢いよく押し出す感じです。
そうすると首も前に出てしまったりして一定のお腹の支えも崩れて、
結果母音が繋がらなくなります。

発音をする口だけが大忙しになって、音程まで調節してる余裕がなくなっちゃうんですね。
発音するだけで精一杯!!!!!音程まで合わせるのは無理~!!という感じです。



ではもう一度確認してみましょう!
先ほどと同じように
何も考えずに「あかさか」と言った時と
前を向いて同じ音程で あーかーさーかー と言った時の舌の位置を確認してみてください。

宇宙人読みの「あーかーさーかー」の方が舌の動きがスムーズで無駄がないのに比べ
何も考えずに「あかさか」と言った時の方が口の中がバタバタと忙しくないですか?

舌が必要以上にバタバタ動くのは スムーズに発音する為には無駄な動きなんです。
この無駄な動きが音程を邪魔しているんです。無駄な動きが減れば音程も合いやすくなります。


声を共鳴させる為にも、声を滑らかに繋げる為にも
同じ位置で全ての文字を発音できることが大切です。
同じ位置で発声できるように、舌の位置を気にしてみましょう。

「か行」と言ったとおり、かきくけこ 全て同じです。

歌っていて音程が取りにくいところがある時は先ほどやったように
一度音程から離れて、
その歌詞を同じ音程で 宇宙人のように読むことをしてみてください。
それをやった後は、歌の音程が取りやすくなると思います。
是非練習に取り入れてみてくださいね。

母音に関してのブログはこちらもどうぞ(^^♪
「音をつなげる」